鈴木めぐみ  浜松市議会にて『天竜川・浜名湖地域合併協議会設置の議決』での賛成討論  2003年9月16日 第104号議案に対する賛成討論をします。  北脇市長が、環浜名湖政令指定都市構想を提唱して、1年2ヶ月。 その間、6回の研究会、3回の準備会を重ねてきましたが、市民はどのように 考えているのでしょうか。議員は市民の代弁者であるのですから、市民の声を 活かした賛成討論を組み立て、議員としての説明責任を果たしたいと思います。  さて、私は、電子メール、ファックスを使い、今回の法定合併協議会への参 加の是非について、この週末に市民の方々から意見を伺いました。約800人 宛に送りましたが、連休ということ、回収期間が短いことで、回収数は少なか ったのですが、58人の方から貴重な意見を伺うことができました。また、 「浜松には影響ないんでしょ」「関心ないんだ」という本音の声も聞こえてき ました。聞かれて初めて真剣に考えたという人もいました。数字的根拠にはな りえませんが、ある程度の傾向をまとめた市民のみなさんの声の一部分を紹介 します。 結果、■賛成 14■条件つき賛成 10■反対9■わからない24 でした。  賛成の方の理由は、合併によって地域の活性化がはかれる、行政の効率、コ スト削減がはかれる、合併による変化、刺激を求める、自治力のアップができ る、まずは参加することが大事などが主な意見でした。賛成の方々は、市やそ の他の機関からの情報に日々近くで接していて、合併や政令指定都市への理解 の深い方が多いように見受けられました。ただ、賛成の人たちの中にも、政令 指定都市になると県から権限と事務とが移譲されるが、そのとき、県の行政組 織はどの程度スリムなものとなり、財政的な効率化が計られるか。国の危機的 な財政事情から、もし合併しない場合にどの程度地方交付税が削減されると予 測されるかなどの財政面についてのより詳しい情報提供の必要性を揚げておら れます。  条件つき賛成の方の理由は、行政の無駄をカットするならば、予算の削減と 住民へのサービスとのバランスがとれれば、税負担が増えなければ、地域の活 性化ができれば、地域の個性を活かすことができれば、まずは参加することが 大事、浜松は変わらないからいいんじゃない、というのが主な意見でした。た だ、市民の疑問には、しっかり答えて欲しい。行政主導のおまかせでこの事業 が進められれば、市民の意向とはかけ離れたものになる。「自分達の暮らしは、 こうしていきたいんだ!」ということが、反映されて欲しいとの意見がありま した。市民の疑問や意見に真摯に対応する市の姿勢と、市民主体の合併を求め ていることが伺われました。  反対の方の理由は、合併手続き、デメリットが不明である、合併の理念がな い、面積が広すぎてひとつの都市とはいえない、市民が蚊帳の外になっている、 大きくなって市民の満足度はあがるのか、市職員の質の問題、余分なお金がか かるのでは、と言った指摘がされています。こうした意見には、きちんと耳を 傾け、その対応策、解決策を示していく必要があると考えます。これこそが、 市政への信頼につながります。  全体の4割の人が「わからない」と答えています。ビジョン、メリットがわ からない、判断材料がない、どのように変わるか見えないなど、判断しように も、判断できない状況が伺えます。また、女性の回答者の約6割が「わからな い」と答えたことは、今後の大きな課題です。  法定合併協議会のメンバーだけでなく、広域行政課にも部長を除く職員24 人中2人と女性職員が少ないことも気掛かりです。わからないなら、ほってお けではなく、様々なチャンネルを通じて、わかりやすく伝え、わかってもらう 努力、考えてもらう仕掛けづくりが必要です。市民アンケートに答えることや 討論会などで他の人の意見を聞くことによって、合併や政令指定都市の意味を 考えるきっかけになるでしょうし、市民同士の意見交換も活発になります。ま た合併や政令指定都市への理解が深まると同時に、新しいまちづくりへの市民 合意がはかられます。いみじくも北脇市長は、施政方針の中で「市民の自治意 識に支えられた自治体」と述べていますが、自然に市民に自治意識は育つもの ではありません。私は合併や政令指定都市構想こそが、市民ひとりひとりがこ のまちのこと、まちの将来のことを考えるいいきっかけにしていかなくてはな らないと考えています。私自身も、合併を市民にとってひとごとにしない工夫 をいつも考えていきたいと思います。  さて、私から参加を是と考える理由のひとつを述べます。市民の声を聞いて の結論ですが、浜松市民において、合併や政令指定都市構想はようやく関心の 目が出、議論の緒についたところです。ですから、さらに議論を深めるために も参加を是とみました。将来のまちづくりのために、国や県から財源移譲だけ に目を向けるのではなく、歳入をどう増やしていくか、つまりこの地域の産業 政策をどう展開していくかの具体的な政策が必要だと考えます。そのためには、 市民との対話を重視したうえで、この地域のまちづくりや産業政策を総合的に 考え、合併や政令指定都市構想について12市町村が具体的に議論をすること は、必要だと判断しました。 以上の理由をもって賛成としたいと思います。 以上で賛成討論を終わります。