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浜松市がザザシティ中央館破綻予告を受け、公的支援案を打ち出しました。
ところが、3月12日、この公的支援策の4回目の変更案が公表。
一旦議会に提案をした議案を訂正することは異例中の異例。
市独自補助金→半分補助金、半分貸付→貸付→市独自貸付断念と二転三転
しています。
浜松市のこのような対応の中、めぐみは市民の声・みんなの考えを聞くため、
緊急アンケートを行いました。
短期間にも関わらず多くの方が、メールで、FAXで、郵送で、速達で、
ご自分の意見を届けてくださいました。
(ここまでの経緯は、めぐみメールニュース2004.3.12号がわかりやすい!)
そして、2004年3月23日、2月議会採決日。
本会議において、めぐみは
公的支援への質議(浜松市議会議事録P45)と
ザザ公的支援への反対討論を行いました。
その後、採決において全議員の反対をもって公的支援策提案は否決されました。
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浜松市の公的支援案の内容 |
●支援する理由
市中心部のこれ以上の空洞化を食い止め、政令指定都市としての発展を実現するため、ザザシティ浜松中央館への公的支援が必要です。
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■土地の一部の買い取り=2億6,700万円
=地権者法人(地主)が買い取れなくなった土地を、市が買い取ろうというしている金額
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■市街地 再開発事業資金の貸付=14億6,000万円
=市街地再開発事業資金は、国の制度融資制度ですが、国が直接民間に貸すのではなく、市に貸す形をとります。
国と市とで1/2ずつを負担し貸付けます。
もしザザシティ中央館が破たんした場合、浜松市は市の負担分7億3,000万円と国からの借入金(7億3,000万円)に加算金(年利10.75%)を足した分を国に納付しなくてはなりません。
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■利子補給=4億3,800万円
=ザザ中央館が金融機関に支払わなければならない金利の半額を、市が25年間補填し支払う補助金です。
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■指導監督経費=年間100万円
=これは公認会計士費用です。
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<めぐみの反対討論> 2004.3.23 本会議にて ※浜松市議会議議事録全文はこちらからP236 |
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第73号議案、浜松中央地区第一種市街地再開発事業に関する公的支援について、第74号議案、平成15年度浜松市一般会計補正予算(第7号)、第75号議案、平成16年度浜松市一般会計補正予算(第1号)について、反対討論をいたします。
デフレ経済下で生き残りに必死の多くの商店主や厳しい暮らしをしている市民にとって、一民間企業への支援は理解し難いものがあります。みんな自助努力で頑張っているのです。なぜザザ中央館だけ支援しなくてはならないのか、「再開発事業には市の責任がある」の市からの一点張りの説明では市民は納得できません。税の公平性の点から市民の納得が得られないことがなんと言っても最大の反対理由です。
また、2月12日の建設委員会に提案された案から、前代未聞の議案上程後の訂正議案まで、その中身が短い間に何回も変わり、その度に市の説明も変わることから、市民を混乱させ、市民の行政への不信感を深める結果となってしまったことは大変残念なことでした。市当局の猛反省を望みます。
なぜ、市はあくまでも行政主導にこだわったのでしょうか。報道によると再開発組合は、建設委員会終了後「現状は営業成績も資金的も何ら問題なく、金融機関にも理解を得ている」とコメントを述べています。市だけが躍起になって、何が何でも自分たちでやるのだと、空回りしていたように、見えて仕方がありません。
さて、これで最後、ギリギリのところでの提案だという今回の具体的な公的支援策案の内容について3点反対理由を述べます。
その1.
保留床の一部取得費2億6,700万円ですが、まず買取価格ありきで、取得する床の利用内容が不明であること。公共公益施設の保全をより確かなものにするという理由では、公共的な意義が明確ではありません。
その2.
国の制度融資としての市街地再開発事業資金貸付ですが、国は直接地権者法人へ貸付するのではなく、市への貸付となっています。もし事業が行き詰まった場合、市が加算金をつけ国に返さなくてはなりません。つまり、市の責任でもって国のお金、つまり市民からの税金を借りるからには、具体的で効果的な再建計画が必要です。しかし、今のままでは具体的で効果的な再建計画が見られず、実施すべきではありません。
その3.
貸付金の利子補給総額4億3800万円について、支出する根拠があいまいであること。
市民からこんな意見をもらっています。「金銭的支援ではなく、再生案を生み出す方に力を入れてほしい」と。再生する力が見えない中で、その場しのぎにお金を注ぎ込んでも結局は捨て金になってしまいます。よーく考えよう、お金は大事だよー
さて、1ヶ月以上に渡る今回の再開発事業への公的支援の議論を通じて、これから考えるべき課題が2点浮き彫りになりました。
事業がうまくいかなかった場合、その責任はどこにあるのかという点です。今回の再開発事業では、市の責任の範囲、再開発事業を認可した県の責任、そして再開発組合、地権者法人、コンサルタント、金融機関それぞれの責任はどこにあるのか、そしてどう責任をとるかが最後まで曖昧のままでした。事業実施する前には、責任を明確化しておく必要があるのではないでしょうか。
2点目、公益性とは何なのかという点です。
公益性は行政だけが担うものではなく、事業によっては、民間企業も、NPOも、市民も公益性を担います。また、今後行政改革をさらに進めていくであろう本市にとって、民間活力の活用は不可欠となってきます。そうした場合、公益性があるから、すぐに公的補助金もしくは公的資金の貸付としてもいいのでしょうか?早急にルールづくりが必要ではないかと思います。
今後について、今回の反省をもとに以下3点提案をしたいと思います。
まず、今回の再開発事業に行政評価の視点をとりいれることを提案します。
再開発事業の経済効果を予測し、実質的な価値を生み出すプロジェクトとして再定義をするのです。再開発事業の実現が、市民に対して生み出す価値を目に見えるように、評価することによって、市民に対しても議会に対しても説明責任を果たすことができると考えます。
2点目は、来年度以降中心市街地活性化計画の見直しが計画されていますが、その際今の計画案をなぞる程度ではなく、すべての事業を洗い出し、根本的な見直しをすることを提案します。
3点目は、市民や経済界を含めて、市民的議論の場をつくろうという提案です。
「そもそも、中心街活性化は市民にとって必要なの?」「中心街と郊外の役割分担はどうあるべきか」などの基本的なところから、様々なチャンネルを使い、市民的合意をつくっていくことを提案します。もちろん、我が浜松市議会でも、議論の場をつくっていく必要があると考えます。
さて、これからが大事です。ピンチはチャンス。
今回の公的支援策について毎日のように大きく報道されたことにより、これまで関心の薄かった「市政」や「まちのあり方」に対して、多くの市民が関心を寄せることができました。このことをきっかけにし、みんなでまちをつくっていこうという気運を高めていく方向に変えていく力に、この反対議決がつながることを期待します。
以上で、反対討論を終わります。
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・今後も厳しく市の財政をチェックしていきます。(鈴木めぐみ)
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